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中居正広氏=2020年2月21日、東京・六本木
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 元タレントの中居正広氏の代理人弁護士は12日、フジテレビと親会社フジ・メディア・ホールディングス(FMH)が設置した第三者委員会に対し、調査報告書の「性暴力」の認定をめぐって「極めて大きな問題がある」と反論した上で、関連する証拠の開示を求めたなどと発表した。

  • 中居氏からの女性への「性暴力」を認定 フジ第三者委が認定した経緯

 中居氏の代理人に新たに就任した長沢美智子弁護士ら5人が明らかにした。同日付の文書で、第三者委の竹内朗委員長らに通知したという。

 第三者委が3月31日に公表した調査報告書は、2023年6月2日に元フジアナウンサーの女性が、業務の延長線上で中居氏から「性暴力」を受けたと認定。性暴力は「強制力を用いたあらゆる性的な行為」などを指し、「強制力とは有形力に限らず、心理的な威圧や脅しが含まれ、かつその程度は問題にならない」とする世界保健機関(WHO)の定義を用いた。

 これに対し、代理人らは、中居氏に詳細な聞き取りを行い、関連資料を精査した結果、「『性暴力』という日本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されなかった」とした。またWHOの広義な定義を使用したことで、「中立性・公正性に欠け、一個人の名誉・社会的地位を著しく損ない、極めて大きな問題がある」と指摘した。

 さらに第三者委の調査に対し、中居氏が当初、守秘義務解除を提案したが、第三者委から「2人の密室で何が行われたかが直接の調査対象ではない」との回答があったと主張。中居氏は約6時間にわたって第三者委のヒアリングに応じたが、その発言要旨がほとんど反映されていないとした。

 中居氏の問題は、昨年12月19日に女性セブンが、同26日に週刊文春がフジ社員の関与疑惑とともに報じた。中居氏は今年1月9日に公式サイトで声明を発表し、「トラブル」があったと認めて謝罪。その一方で「示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」などとしていた。だがその後、テレビ局などが出演番組の降板や放送終了を相次いで決定。中居氏は同23日に芸能活動からの引退を表明していた。

 朝日新聞は、第三者委の委員長を務めた竹内弁護士の事務所に取材を申し込んだが、応じられないとした。フジとFMHは、「回答は差し控えさせて頂きます」としている。

 また、第三者委に対する中居氏の文書提出について、被害を訴える女性の代理人弁護士は「現時点で被害女性としてコメントすることはありません」とした。

 こうした中居氏の動きを受けて、「女性に対する臆測に基づく誹謗(ひぼう)中傷や悪意の攻撃が再び強まることを懸念しており、メディアの皆さまには特段のご配慮をお願いいたします」とコメントした。

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