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中居正広さん=2020年、東京・六本木

 元タレントの中居正広氏の代理人弁護士は30日、フジテレビなどが設置した第三者委員会の竹内朗委員長らに対して、中居氏のヒアリング記録などの資料開示や、調査手法などについて釈明を求める追加の文書を公表した。第三者委の調査について「『だまし討ち』に等しく、中居氏は『愕然(がくぜん)とした』『驚愕(きょうがく)した』と述べている」としている。

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 文書では、「性暴力」という言葉を用いたことなど4点について、改めて釈明するよう求めた。

 その中で中居氏側は、第三者委が「2人の密室で何が行われたかが直接の対象ではなく、その前足と後足が大事」と中居氏側に通知していたのに、前後ではなくその間の胴体部分を「本事案」と位置づけ、一方的に「性暴力」と断定したと指摘した。その上で、「前提条件である調査対象を無断で途中変更しながら、十分な検証手続きも踏まなかったという事実は、自由心証を逸脱した『だまし討ち』に等しい」と訴えた。

 また、中居氏と女性との間の守秘義務の詳細を確認することを怠ったと指摘し、中居氏が「守秘義務解除に応じなかった態度」を不利益評価の根拠としたことも問題視した。

 WHOの「性暴力」の定義を用いたことについても、「WHOの定義は公衆衛生上の予防や調査を目的とした概念であり、公衆衛生アプローチは、暴力に対する刑事司法や人権の対応に取って代わるものではなく、個別事案を判定するための法的指標ではない」と主張。その上で、「当該概念を十分な検証もなく、一個人に直接適用し、『性暴力』というレッテルを貼ったことは、重大な人権侵害だ」とした。

 中居氏側は第三者委側に対して「速やかに本調査報告書の逸脱した問題点を撤回し、中居氏の名誉・社会的信用の回復のために、貴委員会のなし得るあらゆることを行うよう強く要求いたします」としている。

 3月31日に第三者委が公表した調査報告書に対し、中居氏側は5月12日に性暴力の認定などを巡って反論。第三者委は22日付の文書で「中立性・公正性・公平性に欠ける部分はなかった」と説明したが、中居氏側は「釈明要求に全く答えていない」と主張していた。

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