おなかぽっこりのイメージ=2025年5月27日午後1時7分、東京都中央区

 中年男性に多い「おなかぽっこり」は「朝食なしと不活動」のせいかも――。ラットを使った実験で、そんな結果を明らかにした論文が英科学誌サイエンティフィックリポーツに載った(https://doi.org/10.1038/s41598-024-68058-7)。

 肥満には皮下に脂肪がたまる「皮下脂肪型肥満」とおなかに脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」がある。後者がいわゆる「おなかぽっこり」の肥満だ。脂肪細胞から悪い物質が出て、生活習慣病につながるとされる。

 これまで内臓脂肪型肥満は、油の取りすぎや食べ過ぎが原因と考えられてきた。しかし、実験動物に高脂肪の食事を与えても、増えるのは体全体の脂肪。おなかだけにたまるメカニズムは分かっていなかった。また活動量の少なさや不規則な食事が、それぞれ健康に悪いことは知られているが、それらが重なった場合の影響は明らかではなかった。

 名古屋文理大の小田裕昭教授が率いた研究チームは、油多めの食事をする不活動なラットに、朝食の有無がどんな影響を与えるのかを実験で調べた。

ラット=小田裕昭さん提供

 具体的には、座骨神経を切って活動量が半分になった雄のラット29匹に、米国人が摂取している平均的な割合の油を含んだエサを11日間食べさせた。ラットは夜行性で、1日の活動期と休息期は人間と逆だ。この場合は、活動期のはじめを「朝」とみなし、そこから4時間はエサを与えない「朝食なし」(15匹)と、活動期の間は自由にエサを食べられる「朝食あり」(14匹)の2群に分けた。両群とも、食べたエサの総量は同じだった。

 結果、朝食の有無で体重の増…

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