中谷元・防衛相は19日、イスラエルとイランの交戦激化を受けた邦人退避に備え、航空自衛隊の輸送機を自衛隊の活動拠点があるアフリカ東部ジブチへ派遣するよう命じた。一方、外務省は同日、イランの在留邦人を首都テヘランから隣国へ退避させるため、バスで輸送を始めた。
- イスラエルとイランの敵対関係 背景を読み解く7つのポイント
派遣するのはC2輸送機2機で、21日にも自衛隊員約120人を乗せて空自美保基地(鳥取県)を出発する方向で調整している。到着後はジブチで待機する。指揮官は統合作戦司令官が務める。
外務省によると、イスラエルには約1千人、イランには約280人の在留邦人がいる。外務省関係者によると、テヘランを出発したバスには退避を希望した数十人の邦人が乗車し、アゼルバイジャンへ向かっているという。外務省は同日、イスラエルからヨルダンへ邦人を退避させるバスも運行した。
中谷氏は記者団に「高い緊張感を持ち、在外邦人の安全確保に全力を挙げる」と述べた。