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アスガル・エマミさん。日本では手話も身につけた=2024年8月19日午後2時11分、京都市伏見区、北川学撮影
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 日本に暮らして33年。ペルシャ語通訳者のアスガル・エマミさん(58)=京都府宇治市=は、日本で知って感銘を受けた言葉があるという。中東情勢が緊迫する今、母国イランの為政者に知ってほしいと話す。

 「本当はドイツかスウェーデンに留学したかった。でも『人々は親切だよ』と友人から聞いて、日本に決めました」

 流暢(りゅうちょう)な日本語を操るエマミさんは、25歳だった1991年に来日。建設会社などで働きながら、一から日本語を身につけた。2005~11年に近畿大学通信教育部で法律を勉強。今は京都市伏見区に事務所を構え、主にペルシャ語の通訳として生計を立てる。

 来日して、イランとの共通点が意外と多いことに驚いた。

 「年長者を敬い、親戚づきあいを大事にする。お墓参りを欠かさず、お正月には子どもにお年玉を渡す……。日本人は俳句や短歌が好きで、イラン人は詩が好きなところも似ています」。日本は水が合ったという。

 ただ、日本人がおしなべてアメリカが好きという点は、理解できなかった。「2度も原爆を落とした国なのに、なぜ日本人がアメリカ人に怒らないのか不思議でした」

「罪を憎んで人を憎まず」

 その疑問は、「罪を憎んで人…

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