日本に暮らして33年。ペルシャ語通訳者のアスガル・エマミさん(58)=京都府宇治市=は、日本で知って感銘を受けた言葉があるという。中東情勢が緊迫する今、母国イランの為政者に知ってほしいと話す。
「本当はドイツかスウェーデンに留学したかった。でも『人々は親切だよ』と友人から聞いて、日本に決めました」
流暢(りゅうちょう)な日本語を操るエマミさんは、25歳だった1991年に来日。建設会社などで働きながら、一から日本語を身につけた。2005~11年に近畿大学通信教育部で法律を勉強。今は京都市伏見区に事務所を構え、主にペルシャ語の通訳として生計を立てる。
来日して、イランとの共通点が意外と多いことに驚いた。
「年長者を敬い、親戚づきあいを大事にする。お墓参りを欠かさず、お正月には子どもにお年玉を渡す……。日本人は俳句や短歌が好きで、イラン人は詩が好きなところも似ています」。日本は水が合ったという。
ただ、日本人がおしなべてアメリカが好きという点は、理解できなかった。「2度も原爆を落とした国なのに、なぜ日本人がアメリカ人に怒らないのか不思議でした」
「罪を憎んで人を憎まず」
その疑問は、「罪を憎んで人…