メキシコを拠点に中絶薬を無料で郵送する活動を続ける「ラス・リブレス」の創設者、ベロニカ・クルス・サンチェス事務局長=本人提供
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 米連邦最高裁で13日、人工妊娠中絶のための飲み薬(経口中絶薬)の流通を認める司法判断が示されたことは、米国で中絶の権利を擁護すべきだと訴えてきた人々にとっては歓迎される動きだ。手術よりも身体面や経済上の負担が少ないとされ、中絶が禁止されたり制限されたりしている州の住民にも根強い需要がある。

  • 米最高裁、「飲む中絶薬」の認可差し止めを認めず FDAの承認維持

 米ブルッキングス研究所によると、5月時点で、テキサスなど14州がほぼ全面的に中絶を禁止している。ほかにも、妊娠6週より後の中絶を原則として禁止しているフロリダ州など、7州で厳しい制限がある。

 こうした州でも、海外のサイトで中絶薬を購入する人は少なくない。近年は、マサチューセッツ州など中絶を認める州から他州の住民に対し、オンライン診療による処方も行われている。1回につき150ドル(約2万4千円)程度の負担で提供されることが多いが、最低額を5ドル(約800円)に設定したり、相談内容に応じて無料にしたりしている例もある。

無料で郵送も 「貧困層が多い印象」

 経口中絶薬を必要としている…

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