米西海岸ロサンゼルスに、ボクシングの名伯楽がいる。ルディ・エルナンデス氏（62）。メキシコ系米国人トレーナーだ。
多くの日本人世界王者がルディ氏に師事し、世界ボクシング評議会（WBC）バンタム級王者、中谷潤人(M・T)は「愛弟子（まなでし）」といえる
- 常に意識する井上尚弥、コンプレックスもあった……中谷潤人に聞く
ルディ氏はウエルター級などで21戦をした元プロボクサーで、引退後はトレーナーとして、世界スーパーフェザー級王者となる実弟のヘナロを支えた。その後も数多くの世界王者にかかわっている。
どんな指導をするのか。5月下旬、ルディ氏が拠点とするLAボクシングジムを訪れてみた。
中谷はこの日、約1カ月の合宿を打ち上げた。国際ボクシング連盟（IBF）バンタム級王者、西田凌佑（六島）との統一戦に向けての合宿だった。
入れ替わるようにジムを訪れたのは、2団体統一世界フライ級王者寺地拳四朗（BMB）だった。
寺地が到着して早々、ルディ氏はシャドーボクシングを指示した。相手がいるものと想定して、攻撃や防御をひとりで練習する。それは1ラウンド3分で、10ラウンド続いた。
その午後には、19ラウンド…
