会談冒頭、握手する中谷元・防衛相(右)とヘグセス米国防長官=2025年3月30日、東京・市谷の防衛省、代表撮影

 中谷元・防衛相が3月末のヘグセス米国防長官との会談で、中国への対抗を念頭に、東シナ海や南シナ海、朝鮮半島を中心とした地域を一体の「戦域」としてとらえ、日米が同志国とともに防衛協力を強化する「ワンシアター(一つの戦域)」構想を伝えていたことが14日、わかった。

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 ただ、ワンシアターの明確な地理的範囲は決まっておらず、自衛隊の具体的な活動範囲もあいまいだ。日本が他国・地域の有事に巻き込まれるリスクが高まるとの指摘もある。

 複数の政府関係者が明らかにした。中谷氏は東京都内で行われた3月30日のヘグセス氏との会談で「日本は『ワンシアター』の考え方を持っている。日米豪、フィリピン、韓国などを一つのシアターととらえ、連携を深めていきたい」と伝え、ヘグセス氏はこれを歓迎したという。ヘグセス氏はその後の石破茂首相との会談で、中谷氏が提案したワンシアター構想に言及したうえで、日米豪韓比が連携する重要性を指摘。米側は今回の提案を前提に、防衛協力を進める可能性がある。

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