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宮下宗一郎知事(左から2人目)と会談する新潟県柏崎市の桜井雅浩市長(右)=青森県庁
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 青森県むつ市の使用済み核燃料の中間貯蔵施設を巡り、燃料の搬出元となる東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)がある柏崎市の桜井雅浩市長が26日、青森県庁で宮下宗一郎知事と会談し、理解を求めた。桜井市長は再稼働を目指す7号機の使用済み燃料プールは97%が埋まっていると説明し、「搬出先がなければ再稼働してもすぐに止まってしまう」と主張した。

 各地の原発では使用済み核燃料を保管する燃料プールが埋まりつつあり、保管場所の確保が課題となっている。全国で初めて、原発の敷地外で使用済み核燃料を中間貯蔵するむつ市での事業を巡っては、青森県などと施設を運営する「リサイクル燃料貯蔵」(RFS)が結ぶ安全協定の締結について、県などが議論している。使用済み核燃料の貯蔵期間を最長で50年間と盛り込んでいるが、搬出先は定まっておらず、実効性をどう担保するかなどが課題だ。

知事「安全協定締結で態勢整う」

 桜井市長は東電に対し、再稼働の条件として7号機の貯蔵率を現在の97%から「おおむね80%以下」に引き下げるよう求めている。東電は3月、柏崎刈羽原発4号機から7~9月に69体の使用済み核燃料をRFSに輸送する計画を発表しており、7号機は構内の他の号機の燃料プールに移し、貯蔵率を引き下げる方針だ。

 宮下知事は「現状では受け入れ態勢が整っているわけではない。安全協定の締結で最終的に態勢が整う」と説明。「私たちの考えを新潟側にも共有し、今後の判断を進めていきたい」と述べた。

 また、安全協定締結後の試験的な受け入れについても「試験なので、何か問題があれば戻すこともある」と話した。

 桜井市長は青森県内に核燃サイクルの施設が点在していることに触れ、「青森は日本のエネルギー政策の根幹。核燃サイクルを実質的なものにするため、知事の発信力に期待したい」と求めた。(伊藤唯行、戸松康雄)

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