意見交換会の趣旨などについて高校生に説明する依田英樹・高校改革統括監(中央)=2025年7月25日午後2時2分、越谷市、杉原里美撮影

 12校ある埼玉県立の男女別学高校の共学化について、県教育委員会と中高生の意見交換会が25日、越谷市内で開かれ、中高生11人が参加した。県教委が昨夏、「主体的に共学化を推進する」と決めた経緯などを説明し、中高生からは、「別学高校を残してほしい」という要望があった。

 午前中の「中学生の部」には女子生徒4人と男子生徒1人の計5人が参加。依田英樹・高校改革統括監が県教委の方針を説明し、「男だから女だからというジェンダーにとらわれない高校生活を過ごすにはどうしたらいいと思いますか」などと問いかけた。生徒からは、「男女で協力し合って伸びる人もいるけど、異性とかかわるのが苦手な人もいる」「現状では、男子だけの雰囲気、女子だけの雰囲気がある」「男女の特徴に従った結果なら差別とは違う」といった意見が出た。

 午後の「高校生の部」には、共学校の女子生徒1人、別学校の女子生徒3人と男子生徒2人の計6人が参加した。「中学の時は男子と話しづらかったが、高校は女子しかいないので活発に話せるようになった」など「別学校の良さ」を訴える意見が相次いだ。依田統括監は、学校行事などにジェンダーが潜んでいる「隠れたカリキュラム」の問題や、少子化の流れで学校を再編せざるを得ない事情などを説明した。春日部女子高校3年の生徒(17)は、「参加する前は別学校が批判されていると感じていたが、少子化と結びついた男女の教育機会の平等など、もっと大きな問題の一つだと認識できるようになった」という。依田統括監は、「生徒たちの思いがこもっている肉声を聞いて、こちらも真剣に伝えることができた。意見はそのまま県教委に伝えたい」と話した。

 今後、保護者や県民向けを含め、意見交換会は8月下旬まで計4日間、予定されている。

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