「サクラテンペスタ」のメンバーら。手前左は2022年の大会で製作したロボット=2025年4月10日午後6時10分、千葉県習志野市の千葉工業大学津田沼キャンパス、前田基行撮影

 千葉県内の中学・高校生でつくる国際ロボコンチーム「SAKURA Tempesta(サクラテンペスタ)」が、16~19日に米国・ヒューストンで開かれるロボットコンテストの世界大会に出場する。2年ぶり5度目の快挙で、チームは「目指すは世界一」と張り切る。

 サクラテンペスタは2017年に結成し、現在のメンバーは約30人。普段は千葉工業大学津田沼キャンパス(習志野市)を拠点に活動し、渋谷教育学園幕張高や市川高、県立千葉東高などの生徒らが集まる。

 大会は「FIRST Robotics Competition」(FRC)で、世界各地で地区予選がある。3月下旬に米国・ミネソタ州であった地区予選に、チームの10人が、約2カ月かけて完成させたロボット「削桜(けずろう)」とともに参加した。

 大きさ1メートル四方、重さは約55キロで、精密な動きが特徴という「削桜」で、他のチームと協力しながら所定の位置に筒やボールを運ぶ競技に挑み、9試合をこなして51チーム中13位だった。

 ただ大会ではロボットの設計力や操作性だけでなく、社会貢献を意味する「アウトリーチ活動」も評価対象だ。小中高生向けにロボットやプログラムのワークショップを定期的に開くなど、チームの地域活動が評価され、「エンジニアリング インスピレーション アワード」を受賞。日本勢6チームの中で唯一世界大会への切符を手にした。

 FRCは米国のNPOが運営する世界最大級のロボットコンテスト。世界大会では予選を勝ち抜いた各国の約600チームが競い合う。昨年は全世界で約3500チーム、約11万4千人が参加した。

 サクラテンペスタは結成翌年の18年に初めて挑戦し、今回で5回目の出場。リーダーで東邦大付属東邦高3年の中山京終さん(17)は「これまで以上に性能のよいロボットを作ることができた。世界大会では地域貢献活動もしっかりアピールしたい」と話した。

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