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弁護士事務所で取材に応じた上村遼太さんの母親=2025年1月30日午後3時45分、稲葉有紗撮影

 川崎市の中学1年上村遼太さん(当時13)が多摩川の河川敷で殺害されてから20日で10年。母親が朝日新聞の取材に初めて応じ、事件後の家族の苦悩を語った。残された遼太さんのきょうだいに十分に向き合ってこられたか後悔もあるといい、子どもへの専門的な支援の必要性を訴えた。

 遼太さんは2015年2月20日未明、知人だった少年3人に裸で川を泳がされ、カッターナイフで43カ所切りつけられた。河川敷に放置された後、23・5メートルをはった所で息絶えた。

 息子の身に起きた一部始終は、今も日常のささいなことでよみがえる。紙で指を切って痛いと思った直後、切りつけられた遼太さんの痛みを思う。車を運転中にカーナビが「20メートル先」と案内すれば、遼太さんがはって進んだ距離を重ねてしまう。

 ネット上で自身がネグレクト(育児放棄)だと根拠のないうわさ話を流された。名前を変えて川崎市を去った。薬を飲まないと眠れない日々は今も続く。

子どもが頼れる大人は

 それでも、「私には思いを吐…

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