統合して新たに建設される「くしもと小学校」の模型=2024年4月2日、和歌山県串本町、菊地洋行撮影

 和歌山県串本町は28日、南海トラフ地震などの災害に備えて串本小学校と橋杭小学校を統合して町内の高台に建設する「くしもと小学校」の開校時期について、当初予定していた2026年4月から27年度中になる見込みと発表した。

 能登半島地震の復興工事や大阪・関西万博の開催に伴う建設資材の高騰や作業員不足により、校舎建設工事の入札が予定価格を上回るなどして、これまでに2回、不落や不調だった。

 町や町教育委員会は体育館を木造から鉄骨造りにするなど仕様や設計内容を見直した上で、今年7月に再度、入札を実施する。工期中の資材価格の値上がりについても町費で対応するという。

 統合小学校の基本設計書によると、校舎は木造平屋建て、延べ床面積3148平方メートル。体育館は平屋建て、床面積986平方メートル。2万5千平方メートルの敷地には、学童保育施設も備える。

 田嶋勝正町長は「保護者にご心配をおかけしている。2校の統合については、新校舎の完成を待たずに検討したい」と述べた。

 町は、24年度予算で計上した統合小学校建設事業費を25年度予算に組み替え、総額124億6819万円の一般会計当初予算案を5日開会の議会に提案する。

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