選手たちが帽子を脱ぎ、深々とおじぎをした。
「こんにちは」
全員、丸刈りではなかった。
6月の夕方。記者が水戸桜ノ牧(水戸市)のグラウンドを訪れたときの光景だ。
同校の野球部は「丸刈り禁止」をうたっている。渡辺健主将(3年)は「伝統」と強調した。
渡辺主将も高校入学後、頭を丸めると思っていた。でも、中学3年のとき、同校の野球部に進んでいた先輩からその伝統を聞き、驚いた。
「寝癖を直すなどの行為は、社会に出たら必要。選手として自立するための練習だ」と聞いた。納得できた。
自立した選手めざす取り組みの一つ
2019年秋、当時監督だっ…