開幕からなかなか調子が上がらない福岡ソフトバンクホークスで、日に日に存在感が増しているベテランがいる。プロ18年目の中村晃(35)だ。
4月17日、本拠での楽天戦だった。両チーム無得点の六回、無死一、二塁とした後、あっという間に2死になった。沈みかけた空気を、背番号7の一振りが大歓声に変えた。楽天先発の岸孝之の140キロ直球をとらえ、右翼へ先制の3ラン。自身2年ぶりの本塁打だった。
「カウント有利(3―1)にもっていくことができて、思い切っていくことができた結果です」。チームは逆転負けを喫したが、球場に駆けつけたファンにとっては記憶に残る一発になっただろう。
中村の生き様を凝縮したような言葉がある。
「状況は常に変わる。そのと…