高値が続くコメの安定供給に向け、無関税で輸入できる主食用米の枠を増やすべきだ――。財務省は15日に開いた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、こんな提言を出した。日本は年80万トン近くのコメを無関税で輸入しているが、主食用は10万トンまで。その上限を増やすことで、コメ不足に備えるねらいだ。
日本はガット・ウルグアイ・ラウンド交渉に基づき、1995年から毎年決まった量のコメを輸入する「ミニマム・アクセス(MA)」の制度を受け入れた。いまは年約77万トンの無関税枠があり、その半分近くが米国産だ。ただ、国産米を守るため主食用は10万トンを上限としており、大半は加工用・飼料用として利用されている。
「令和の米騒動」が起きた2024年度は、主食用の輸入量も上限に達した。今年に入って政府は備蓄米を放出したものの、高値が続く。財務省は10万トンの枠を拡大することで、供給の安定化につなげられるとみる。また、加工用や飼料用として販売した分は、輸入時より価格が下がるため、23年度には684億円の財政負担が生じている。高値で売れる主食用の割合が増えることで、財政負担も軽くできるとしている。
財政審の増田寛也・分科会長…