昨年6月、日本選手権女子800メートルで優勝した久保凛(中央)=内田光撮影

 久保凛は昨年7月、16歳にして日本選手で初めて女子800メートルの「2分」の壁を突破した。1分59秒93で19年ぶりに日本記録を更新した。

 その走りは、体幹が安定してぶれがない。そこが強み、だと見られがちだ。だが、走りの神髄は別にある。野口雅嗣監督は言う。

 「車輪のように、ブレーキをかけずに接地して進む。久保の走りはノンストップです」

 年間を通して朝練習では「短距離型」のウォーミングアップを採り入れている。指導する野口監督は元々、日体大を卒業した100メートルの選手だった。「『走運動』で必要な要素に、距離は関係ありません」

 ハードルをまたいで股関節の…

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