イスラエル軍の大規模攻撃が続くパレスチナ自治区ガザで、支援物資の搬入が限定的に再開され、22日には一部の地域で約2カ月ぶりにパン屋での生産が再開された。ただ、ガザ内で支援物資が略奪される混乱も報告されており、国連は「最も残酷な局面」と警告し、支援の拡充を呼びかけている。
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世界食糧計画(WFP)によると、ガザ南部と中部のパン屋が製造を再開した。イスラエル軍が3月2日にイスラム組織ハマスへの軍事的な圧力を強めるとしてガザへの物資搬入を止めたのを受け、WFPは4月1日に支援するパン屋全25店が稼働停止に追い込まれたと発表していた。ただ、再開したのは一部の店舗に限られ、必要な支援にはほど遠いという。
WFPは23日、搬入された食料を運び、パン屋に向かっていたトラック15台がガザ南部で略奪されたと発表。声明では、「さらなる食料援助が届くかどうかへの不安が、治安の悪化を招いている」と指摘し、「限定的な支援では安全に活動できない」と支援拡大を進めるよう訴えた。
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