北海道・知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没し、26人が死亡・行方不明となった事故で、被害者の手がかりを捜し続ける捜索ボランティア隊が、家族を招いた慰霊行事を事故現場に近い知床岬で計画している。
隊の代表は、知床半島東側にある羅臼町の漁師、桜井憲二さん(61)。これまで被害者の家族と知床半島を遊覧する観光船に乗り、遺体や遺留品を見つけた場所について説明してきた。
発見現場が近づくと、家族は目の前の海に投げ出された被害者の名前を叫ぼうとする。
しかし、知床の大自然を楽しむほかの観光客を気づかい、こみ上げる涙を隠すように、持ってきた花束を、そっと海に投げ入れるのだという。
「気兼ねなく慰霊させてあげ…