事故現場のカシュニの滝の方向に黙禱(もくとう)する捜索ボランティア隊のメンバー=2023年5月4日、北海道の知床岬付近、神村正史撮影

 北海道・知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没し、26人が死亡・行方不明となった事故で、被害者の手がかりを捜し続ける捜索ボランティア隊が、家族を招いた慰霊行事を事故現場に近い知床岬で計画している。

 隊の代表は、知床半島東側にある羅臼町の漁師、桜井憲二さん(61)。これまで被害者の家族と知床半島を遊覧する観光船に乗り、遺体や遺留品を見つけた場所について説明してきた。

 発見現場が近づくと、家族は目の前の海に投げ出された被害者の名前を叫ぼうとする。

 しかし、知床の大自然を楽しむほかの観光客を気づかい、こみ上げる涙を隠すように、持ってきた花束を、そっと海に投げ入れるのだという。

 「気兼ねなく慰霊させてあげ…

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