(第107回全国高校野球選手権愛知大会 菊里4―3旭野)
「任せた」。同点に追いつかれた九回表無死満塁、旭野の2番手・佐久間正翔投手(3年)は、仲間からそう声をかけられ、マウンドに上がった。
投手として入部したが、1年の時から外野手もこなす。この日も左翼で先発し、疲れもあったが「絶対に俺が抑えてやる」という強い気持ちで投げた。
代わった回は2奪三振、追加点を許さぬ好救援を見せたが、延長タイブレークに入った十一回表に押し出しの四球を与え、勝ち越しを許した。
それでもチームは常に明るく、「こんな楽しい試合はないぞ」と声をかけ合った。1点差で敗れたが、「皆と一緒に成長でき、すごく楽しかった」と晴れやかな表情で3年間を振り返った。