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智弁和歌山―近大新宮 九回裏近大新宮2死一塁、長堀が左前安打を放ち、好機をつくる=2024年7月29日午後0時1分、紀三井寺、周毅愷撮影
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 (29日、第106回全国高校野球選手権和歌山大会決勝 智弁和歌山4―2近大新宮)

 近大新宮の4番・長堀竣主将(3年)はチームの勢いとは対照的に、決勝まで12打数無安打。それでも試合前、三塁側応援席へ深々とお辞儀をした。「周りの方々のおかげでグラウンドにいる」。感謝を示すルーティンで「いつも通り」と言い聞かせ、試合に臨んだ。

 四回表、二塁手として併殺打と二ゴロで相手を打ち取り、守備でリズムを作る。しかし、四回裏の打席でも三ゴロに終わった。ベンチに戻ると監督から「ヒット出てないけど、気にするな」と声がかかった。「まだ信頼してくれている」と自信を持った。

 後半に少しずつ点差を広げられ、4点差で迎えた九回裏2死走者なし。3番・和嶋健人選手(3年)が安打で出塁し、打席が回ってきた。

 「自信を持って、思う存分楽しもう」。フルカウントまで粘り、内角高めの6球目を振り抜く。「なんとか」と念じた打球は内野を抜け、左前安打となった。主将の大会初安打で勢いに乗った近大新宮は単打で満塁とし、敵失で2点差まで迫った。続く2死一、三塁の好機は中飛で終わり、一歩及ばなかった。

 新チーム発足時に決めたスローガンは「チャレンジャー」。最後まで強敵に食い下がった仲間に「一人でも欠けたら、決勝まで来られなかった。全員が役割を果たしてくれた」と感謝した。(周毅愷)

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