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 8月8日~11日、九州・山口で12件の線状降水帯が発生した。梅雨があけた後になぜ、記録的な大雨になったのか。専門家によると、九州・山口には、被害が出やすい特徴もあるという。

 線状降水帯では、発達した積乱雲が帯状に連なり、同じ場所で強い雨が降り続く。

 今回の大雨では、24時間降水量は、鹿児島県霧島市515.5ミリ▽熊本県玉名市453.5ミリ▽福岡県宗像市414.5ミリ▽山口県下関市366.5ミリなど14地点で観測史上1位を記録した。

 8月は比較的雨量が少ない月だ。今年は梅雨時期にもそれほど雨が降らなかった。それがなぜ一変したのか。

写真・図版
一部が崩れた宗像大社中津宮の参道=2025年8月12日午後3時5分、福岡県宗像市大島、上田真美撮影

湿った空気が2ルートから合流→「戻り梅雨」に

 九州大の川村隆一教授(気象学)は「梅雨末期と似たような気圧配置となり、『戻り梅雨』となった」と説明する。

 川村さんは、「九州付近は湿った空気の合流場で、線状降水帯が発生しやすい」と話す。

 今回は、偏西風が南に蛇行し…

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