波佐見―創成館 一回裏創成館、敵失で三塁走者の峯が生還して先取点=2025年7月23日午前10時19分、たちばなしんきんFOD、菅野みゆき撮影

 23日の高校野球長崎大会は準々決勝4試合が2球場であり、4強が出そろった。第1シードの海星がシード外の九州文化学園に敗れる波乱もあった。準決勝は休養日をはさみ、25日に県営野球場である。

 (23日、第107回全国高校野球選手権長崎大会準々決勝 九州文化学園5―4海星)

 ノーシードから勝ち上がった九州文化学園が第1シード海星の猛追を振り切って4強入りした。勝利に貢献したのは、八回途中まで被安打3と好投した荒木翔斗投手(2年)だ。

 一回、連打に盗塁を許し、1死二、三塁の危機に。「相手は海星。1点もやれない」と力を込めた投球で、続く主軸を2者連続の三塁ゴロに仕留め、本塁を踏ませなかった。

 「ピンチを抑えて波に乗った」という荒木投手の好投を、海星打線を研究していた池田璃玖捕手(2年)が後押しした。相手が外角に苦戦するとみて、荒木投手の「真っすぐみたいに見えるスライダー」が決め球になると読んでいた。

 池田捕手のリードに応え、「ストライク先行でいけた」という荒木投手。三、四、六、七回を三者凡退に打ち取り、香田勲男監督も「打者に向かっていく気持ちが出ていた」と評価した。

 甲子園まであと2勝。荒木投手は「敗れた相手の分までしっかり勝ち上がりたい」と語った。

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(23日、第107回全国高校野球選手権長崎大会準々決勝 長崎商2―3長崎日大)

 七回裏1死一、二塁、長崎日大の攻撃の場面。1点差をつけられていた長崎商の山口潤投手(3年)は意地を見せた。「これ以上は点を与えられない」。鋭い牽制(けんせい)球を遊撃手に投げ、二塁走者をタッチアウトに。続く打者も打ち取った。

 この回でマウンドを降りた山口投手は、試合終了後、ベンチ裏で泣きじゃくった。

 春の九州大会では、今年の選抜に出場した強豪の沖縄尚学を相手に完封し、1―0で破った。「あの試合と比べると、今日はボールが多かった。テンポ良く投げられず、チームに流れを持ってこられなかった」と振り返った。

 試合では、長崎日大の投手の低めの球を打ち崩せなかったという。自身について、「最後まで、腕を振って投げきった。悔いはない」と語った。

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