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翼が折れ大破したグライダー=2024年5月26日午前7時41分、熊本県産山村田尻、森北喜久馬撮影
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 熊本県産山村の公園に25日、グライダーが不時着した事故について、国土交通省は航空事故と認定し、運輸安全委員会の航空事故調査官3人が26日午後、現地に入った。

 熊本県警阿蘇署などによると、25日午後4時半ごろ、産山村田尻のヒゴタイ公園に、九州工業大学航空部の20代の男子大学生が操縦していたグライダーが不時着し、大破した。男子大学生はヘリで熊本市内の病院に運ばれたが、けがはなかった。

 国交省航空局や阿蘇署、九工大航空部によると、九工大航空部は現役学生と卒業生の計6人で、愛好団体「枕崎グライダークラブ」と一緒に合宿中だった。男子大学生が1人で乗るグライダーは午後4時ごろ、軽飛行機にロープで引っ張られて阿蘇場外離着陸場(阿蘇市山田)から離陸。15~20分後、ロープがたわんできたため、グライダー側で切り離した。離着陸場に戻るには遠すぎると判断し、ヒゴタイ公園のゲストハウス近くにある草地に不時着した。不時着時の衝撃で、翼は両方とも折れ、操縦席を覆うキャノピーも割れた。

 現地入りした航空事故調査官の3人は、離着陸場と事故現場で、操縦した学生を含む関係者から話を聞いたり、機体の壊れた様子や周辺の立ち木が折れた様子などを見たりした。主管を務める加藤亮太調査官は報道陣の取材に「機体は大破していたが着地まで操縦者がコントロールできていたようだ。その意味で、墜落ではなく不時着と考えている」と話した。今後、関係者から詳しく事情を聴き、1年以内をめどに報告書をまとめる。(森北喜久馬)

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