信用調査会社・帝国データバンクは、大学受験予備校「ニチガク」を運営する「日本学力振興会」（東京都新宿区）が事業を停止し、自己破産を申請する予定だと発表した。
18、19日の大学入学共通テストを直前に控えて塾が閉鎖される事態となり、動揺を隠せない通塾生もいた。
帝国データバンクによると、同社は新宿区で1教室を運営。1983年に設立され、近年は入塾者の減少や新型コロナ感染拡大による対面授業の制限などで減収傾向となっていた。4日までに事業停止された。負債額は調査中という。
教室の入り口には代理人弁護士名の4日付の文書が貼られ、「現在債務の支払いに窮する状態にあるため、破産申し立てを視野に入れ、債務を整理する予定」などと記されている。
6日午前には、私物の教材や文房具を持ち帰るために教室を訪れる生徒の姿が見られた。
「社長に出てきてほしい」 憤る高校生
高校2年の女子生徒によると、4日に来たところ、他の生徒や講師が文書の前に集まっていた。講師も事情を知らず、泣き出す生徒もいたという。女子生徒は「面倒見がよくていい塾だったのに、許せない。社長に出てきて欲しい」と語った。
別の女子生徒によると、教室内に入って授業をした講師もいたという。
1年近く通っていたという高校3年の男子生徒は、開講されるコマ数や講師の数が大きく減っていたことから、経営が苦しいのかなと薄々思っていたという。入試直前の事態に「まさかこういう形になるとは思っていなかったけど、もう仕方ない。切り替えるしかない」と話した。
