どのお店に行くのでも、まずはネットで予約から。そんな時代だからこそ、たたずまいに引かれてふらっと居酒屋に入る飲み歩きの楽しさを再考したい。予約なしで飛び込むその「冒険」の魅力を、ムック「古典酒場」シリーズの創刊編集長として知られる倉嶋紀和子さんが語ります。
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後にシリーズ化したムック「TOKIO古典酒場」(2007年)で創刊編集長を務めました。老舗の大衆酒場を中心に、お店を紹介した本です。私自身が実際に足を運び、居心地がいいなあと感じたお店に取材交渉をしていきました。
行く前に予約をしたか、ですか? いえ、一人で飲むときはほとんどしていません。創刊号を読み返しても、お店の基本情報欄には予約の可・不可を示す項目がそもそもありません。
私にとって予約をせずにふら…