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翌朝から天日干しされた新巻きサケ=2024年12月22日、岩手県大槌町、東野真和撮影

 岩手県大槌町の不動産業・家子和男さん(75)宅で、親の代から50年以上続けているという新巻きサケづくりの様子を見せてもらった。

 「南部鼻曲がり新巻きサケ」発祥の地とされる大槌町では、かつて多くの家庭で作られていた。東日本大震災後も仮設住宅や残った民家の軒先に何匹もぶら下がっているのをよく見かけたが、今はほとんど見ない。

 この5、6年は秋サケの記録的不漁が続く。岩手県内でピーク時に年間7万トンを超す水揚げがあったが、岩手県水産技術センターの「いわて大漁ナビ」によると、定置網漁で昨年は76.5トン、今年は20日までに約50トンだ。

 お歳暮用に作る町内の水産加工業者も県外から仕入れる。家子さんも、北海道産を北上市のスーパーから買った。大槌のサケの特徴だった鼻の曲がりはない。

 「川を上る前だから身が多く、水分を含んでいて、できあがるまで時間がかかる」。かつては大槌産の1メートル近くあったサケを使って100匹作った年もあったが、今年は60センチぐらいで30匹だ。

 庭先に氷が張る寒さの中、重しを載せ、塩漬けして肉をしめた後、冬至の21日に水洗いした。翌朝から5日間、寒風で干して仕上げた。

 家子さんは「埼玉に住む生意気な娘が20本送ってくれっていうから」と苦笑い。26日に送った。

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