古今のバイオリン協奏曲の中でも特に愛されるメンデルスゾーンとチャイコフスキーの2作品が今秋、「第63回大阪国際フェスティバル2025」で同時に披露される。大阪府豊中市生まれのバイオリニスト神尾真由子と同市が拠点の日本センチュリー交響楽団が共演。指揮に大友直人を迎える。バイオリンの魅力をとことん味わえる舞台を前に、神尾と大友の対談が実現した。

神尾真由子さん(右)と大友直人さん=東京都中央区、関口達朗撮影

メンデルスゾーンが醸し出す切ない空気

 ――今回はメンデルスゾーンとチャイコフスキーのバイオリン協奏曲を同時に聴ける機会です。

 神尾 珍しいと思います。毎年のように行われる企画ではないのでは。どちらも大曲で、1曲でプログラムがもつぐらいですよね。

 大友 一度に協奏曲を2、3曲弾く、リサイタルができるソリストの方はそう多くないんですよ。

 よくできたコンチェルトはオーケストラにも聴かせ場所があります。日本センチュリー交響楽団は緻密(ちみつ)なアンサンブルが得意で、特にメンデルスゾーンは相性が良いでしょう。オーケストラとバイオリンの共演という意味でも充実した2大名曲です。

 ――2曲とも、クラシックファン以外にも知られた人気曲ですね。

 神尾 それこそ私の父はクラ…

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