パリ・パラリンピックの競泳日本代表の辻内彩野(27)=三菱商事=は今春、二つの感情の間で揺れていた。
視覚障害がある競泳選手は、障害の重い順に11から13まで三つのクラスに分かれて競う。辻内は3年前の東京パラリンピックでは最も軽い13の50メートル自由形で7位だった。
今年4月、これまでよりも障害が重いと診断され、12のクラスでレースに出場することになった(障害が軽いクラスのレースに出ることもできるので、13のクラスの種目もある)。パリの代表には選ばれたが、病が進行しているという現実も突きつけられた。「ホッとしたけど、ふとしたときに障害が重くなったんだよな、って思いましたね」
幼少期に泳ぎ始め、高校時代…