東京パラリンピックの女子100メートル平泳ぎ(視覚障害SB13)予選を泳ぎ終え、健闘をたたえ合う辻内彩野(左)=2021年9月1日、東京アクアティクスセンター、遠藤啓生撮影

 パリ・パラリンピックの競泳日本代表の辻内彩野(27)=三菱商事=は今春、二つの感情の間で揺れていた。

 視覚障害がある競泳選手は、障害の重い順に11から13まで三つのクラスに分かれて競う。辻内は3年前の東京パラリンピックでは最も軽い13の50メートル自由形で7位だった。

 今年4月、これまでよりも障害が重いと診断され、12のクラスでレースに出場することになった(障害が軽いクラスのレースに出ることもできるので、13のクラスの種目もある)。パリの代表には選ばれたが、病が進行しているという現実も突きつけられた。「ホッとしたけど、ふとしたときに障害が重くなったんだよな、って思いましたね」

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 幼少期に泳ぎ始め、高校時代…

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