パリ五輪の出場選手に対する相次ぐ中傷が問題化している。なぜファンは怒り、攻撃してしまうのか。そして、どうしたら防げるのか。ソウル五輪銅メダリストでスポーツ心理学者の田中ウルヴェ京さんに聞いた。
誰でも自分に対する「脅威」「損」「害」にネガティブな感情を持ちます。観戦にのめり込み当事者意識を強く持つほど、応援する選手が負けたことなどについて我がことのようにとらえ、怒りを覚える人はいます。
そこにゆがんだ正義感が加わることで、相手選手などを攻撃することが正しい、と考えてしまう。客観的に見れば選手とは何も関係がないただの視聴者で、中傷するほどの情報も持たないはずなのに、です。これは国籍や時代に関係なく起きてきたことなので、中傷がなくなることはないでしょう。
試合結果や審判に怒りや悔しさを感じること自体は自然なことです。その人が自分も損害を被ったんだと感じてしまえば、仕方のない感情です。
中傷、現役時代からありました
本来は、その人の過剰な感情…