パリオリンピックが閉幕しました。競技が盛り上がった一方で、紛争、格差、人権侵害といった五輪の理念とは相いれない様々な問題に「ふた」をしたり、目をそらしたりしていなかったでしょうか。テレビ番組で「五輪ボイコット」を公言した経済思想家の斎藤幸平・東大准教授に真意を尋ねるとともに、メガイベントの「負の側面」をどう考えたらいいのか、聞きました。(聞き手=小川尭洋)
中継映像には映らない問題
――生放送の報道番組に出演した時に、パリ五輪について「全然見ていない。反五輪でボイコットをしている」と語っていましたね。
実は、私自身、小中高の部活動などでサッカーをやっていて、スポーツ嫌いどころか、好きな方なんです。過去に、日韓ワールドカップ(W杯)やドイツ留学では、現地でサッカー観戦を楽しんだりしていました。
別に何も考えないで映像を見…