JR新函館北斗駅に入線するH5系編成車両の北海道新幹線上り「はやぶさ22号」=2017年3月18日、山本裕之撮影
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 北海道新幹線の札幌延伸の開業が予定していた2030年度末から「数年」遅れる見通しだと、建設主体の鉄道・運輸機構が発表した。沿線では交流人口の増加などを見こんで官民による再開発やまちづくりが進んでおり、影響が広範囲に及びそうだ。札幌延伸を経営改善の切り札に掲げてきたJR北海道の経営自立も遠のくことになる。

 8日に機構が国土交通相に報告した。12年に着工した新函館北斗―札幌間(約212キロ)はすでに3~4年の遅れが出ている。全体の8割を占めるトンネル工事で、残土の受け入れ用地の確保に苦戦したり、巨大な岩にぶつかって掘削が中断されたりしたためだ。機構は今後どんな工夫をしても30年度末開業は「極めて困難」だと判断した。

 札幌延伸は当初35年度開業の計画だったが、地元の要望も受けて15年に5年前倒しされた。だが、軟弱な地盤や火山などに阻まれて工事が遅れ、開業は後ろ倒しされて見通せなくなった。

 機構の藤田耕三理事長はこの日、「開業を待望している関係者に心配をおかけし、おわびを申し上げたい」と語った。

 藤田氏は、整備新幹線の開業時期が、用地取得や工区固有の技術的な検討を十分にする前に政府・与党によって決められる仕組みになっていることを指摘。「そういった点は改善していく必要がある」とした。

 新たな開業時期については見通すのが「技術的に困難」としたが、「あえて言えば数年単位の遅れ」と語った。

 国交省は今後、有識者会議を開いて新たな開業時期を設定し、費用も試算し直す考えだ。(新田哲史)

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 開業遅れの影響を最も受けそうなのが、札幌市中心部の再開発だ。

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