佐賀県唐津市にある〝町のお肉屋さん〟のハンバーグ「唐津バーグ」。ふるさと納税の返礼品として今年で10年目を迎え、素朴な家庭の味が根強い人気を誇っている。
元は亡き父が残したレシピだった。製造する精肉店「いきや食品」は、社長の井上真維さん(39)の祖父母が1957年に創業。店を受け継いだ父は、主に黒毛和牛を飲食店に卸した。その頃、時間がある時に店の肉から作り、家の食卓にも並んでいた。
井上さんが実家の手伝いに入ったのは2005年。父の病気がきっかけだった。5年後に父が60歳で亡くなると、取引先が減って売り上げは右肩下がりに。母弘実さん(61)は「食べていく分はあり、店をやめてもいいと思った」と振り返る。
「イタズラ電話か」 思わぬ誘い
そんな時、「ふるさと納税の…