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「おにクル」を貫く「縦の道」
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 新しい建築像を描き続けてきた建築家の伊東豊雄さん(83)は、東日本大震災以後はとりわけ、人の命や身体と向き合う建築を意識している。その成果といえる建築が大阪で完成し、多くの人を魅了している。

 「万博のテーマにつながる『生きる喜び』を、シンプルな建築の生の力で見せたい」。来年の大阪・関西万博の「大催事場」を手がける伊東さんは昨年の会見でそう語り、黄金の屋根を頂いた白い円筒形という象徴的な姿を与えている。

 そして、まさに生命感と身体性を感じさせる建築をもう一つ完成させている。大阪府茨木市に昨秋にオープンし、内部の大ホールが今春にグランドオープンした同市の文化・子育て複合施設「おにクル」だ。

 足を踏み入れると、1~7階を貫く円筒状の吹き抜け「縦の道」をエスカレーターが交差しながら昇っていく姿が見える。ダイナミックでありながらカジュアルな雰囲気の館内には、低層階の子供向けの広場や子育てのフリースペースを中心に、生き生きと動き回る子供たちの姿がある。

 上階には大ホールや図書館…

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