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トスバッティングでボールを投げる横浜の学生コーチ・延末勧太さん=2025年8月15日、大阪府豊中市、中嶋周平撮影

(17日、第107回全国高校野球選手権大会3回戦 横浜―津田学園)

 甲子園で春夏連覇を狙う横浜で、選手たちから「なくてはならない存在」と慕われている人がいる。

 学生コーチの延末勧太さん(22)だ。

 横浜の卒業生で、現在は日本体育大学の4年生。週末に横浜高校の長浜グラウンドを訪れ、守備や打撃の指導をしている。指導陣の中では最も若く「他の指導者に言いにくい本音も拾えたら」と相談にも乗る。

 主将の阿部葉太(3年)は「年齢が近く、悩みを打ち明けやすい。頼れる指導者」。一塁手の小野舜友(2年)も「守備やバントについて質問しやすい。なくてはならない存在」と信頼を寄せる。

 広島県出身。2019年に横浜高校に入学し、主に一塁手としてプレー。21年夏には村田浩明監督のもとで初の甲子園出場を果たした。

 卒業後、村田監督と同じ日体大に進み、野球部では1年冬ごろから1軍の練習に参加できるようになった。しかし、その矢先に不運に見舞われた。

 23年1月、自主練習のため寮から学校グラウンドへ自転車で向かい、交差点を直進していると、はね飛ばされ、利き腕の右腕を強く打った。

 異変を感じたのは、翌日の練習だった。ボールを投げようとすると、右腕がびりびりとしびれる。激しい痛みのため、ボールを投げることができなくなった。

 すぐに病院を訪れたが、原因…

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