京都の師走の風物詩「吉例顔見世(きちれいかおみせ)興行」の開幕を控え、南座(京都市東山区)で26日、出演する歌舞伎役者らの名前が書かれた看板を掲げる「まねき上げ」があった。歌舞伎発祥の地とされる京都で、東西の役者が一堂に会する。
「勘亭(かんてい)流」と呼ばれる丸みを帯びた独特の書体で記された「まねき看板」は59枚。この日朝、人間国宝の片岡仁左衛門さんの看板が最後に持ち上げられた。南座の小林雄次郎支配人は「歌舞伎と南座という伝統ある劇場の素晴らしさを知っていただきたい。京都で毎年この時期、歌舞伎の公演ができる喜びをかみ締めながら運営していきたい」と話した。
口上まねきに「一足早い芝居の正月」と記された興行は12月1~22日(10日と16日休演)。(清水謙司)