京都らしい竹林の風景を味わいたいが、嵐山は混んでいるから嫌だ――。そんな人におすすめな場所が、京都市のお隣、向日(むこう)市にある。

きれいにそろえられた竹穂垣の道を、掘りたてのタケノコを持った子が通って行った=2025年4月26日、京都府向日市、新井義顕撮影

「竹の径」を撮る

 人のいない嵐山みたいな感じだと聞き、ひっそりとした雰囲気をイメージしたが、タケノコを採るために整備された竹林は思いのほか空が広かった。陽光が差し込み、光の具合で薄い青に見えたり、金色に見えたり。どこまでも竹林が続くイメージを見せようと、曲がり道で、先を見せないように撮影した。(新井義顕)

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 「竹の径(みち)」。嵐山の「竹林の小径(こみち)」は400メートルほどだが、こちらは1・8キロ。笹(ささ)の葉を揺らす風の音や鳥のさえずりに包まれ、心ゆくまで散策を楽しめる。喧噪(けんそう)とは無縁だ。

 向日市は全国で3番目に面積が小さい市だ。京都市のベッドタウンだが、実は、京都市より歴史は古い。桓武天皇が平安遷都の前に築いた「長岡京」の中心があった場所なのである。

 「竹の径」に足を踏み入れる…

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