舞妓をモデルにした撮影会に参加した大勢のカメラマン。冒頭、パブリシティ権についての説明があった=2024年11月29日午後、京都市東山区、佐藤慈子撮影

 芸舞妓(げいまいこ)の画像が無断で商用利用されないように、経済的な利益や価値を守ろう――。そんな動きが京都の花街で出ているという。11月29日、京都市であった撮影会を訪れた。

 白塗りの化粧に日本髪、季節の花をモチーフにした花簪(かんざし)、歩くたびに揺れるだらりの帯。

 「おたのもうします」

 4人の舞妓が登場すると一気に場が華やいだ。

 東山区の今熊野観音寺で開かれた「祇園の舞妓はん撮影会」。

 事前に申し込んで集まった総勢約120人のカメラマンに、主催者の小杉豊和・全日本写真連盟関西本部事務局長が声をかけた。「舞妓さんにはパブリシティー権があります。くれぐれも商用利用はお控えください」

 撮影会は有料で、全日写連の会員は5000円(非会員は11500円)。

 カメラマンに紛れ、スマホで撮影しようとする人には、主催者側が「有料の撮影会です」と呼びかけ、外国人観光客には両手を大きくクロスさせ「撮影NG」を伝えた。

 京都の花街でなじみのなかった「パブリシティー権」。容姿や名前などがもつ、人気や名声によって生じる経済的利益を保護する権利だ。

 この言葉が、花街で話題になったきっかけのひとつが、JR京都駅の新幹線ホームに掲げられた大きな看板広告だった。

 京都市に本社がある「創味食…

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