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 36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、青葉真司被告(46)を死刑とした一審・京都地裁判決が確定する。本人が控訴を取り下げる書面を27日に大阪高裁に提出した。高裁が28日、明らかにした。

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 地裁の裁判員裁判は昨年1月、青葉被告に完全責任能力があると認めた上で、求刑通り死刑の判決を言い渡した。青葉被告は判決を不服として大阪高裁に控訴。弁護側は改めて責任能力を否定し、死刑制度の違憲性を訴え、判決を見直すよう求めていた。

 本人が控訴を取り下げれば判決は確定するが、死刑事件では弁護人が取り下げの効力を争うことがある。1995年には、最高裁が「死刑の衝撃で被告は異常な精神状態だった」として無効と認めたケースもある。

 2015年に大阪府寝屋川市で中学1年の男女が殺害された事件では、被告が控訴を取り下げ、弁護人が「自分の行為を理解できない精神状態だった」と無効を主張。大阪高裁は死刑判決の重みや取り下げの経緯から「ただちに確定させることには深いちゅうちょを覚える」と認めたが、検察が不服を申し立て、最終的に有効とされた。

 16年に相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人を殺害して一審で死刑とされた被告も控訴を取り下げた後、弁護人が無効を訴え、最高裁が「取り下げは有効」と判断した。

 京都地裁判決によると、青葉被告は19年7月、京アニ第1スタジオの1階中央フロアに侵入し、事前に準備したガソリンを社員に浴びせかけるなどして放火。3階建てのスタジオを全焼させ、京アニ社員ら36人を殺害したほか、34人を殺害しようとした。

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