約1千体の仏像が並ぶ三十三間堂(京都市東山区)で14日、新しくできた防災設備を使った消防訓練があった。京都市消防局の夏の文化財防火運動の一環で、東山消防署員らが参加した。地下に埋め込まれた放水銃で南北120メートルのお堂の屋根に水をかけた。
三十三間堂によると、新設備は3年5カ月かけて今年3月にできた。消防隊が着くまで延焼を防ぐのが目的で、約7億3千万円かかった。放水銃10基、屋内消火栓20台を備え、地下には250トンの水を蓄えられる貯水槽を設けた。炎感知器が作動すると、放水銃が自動で放水するという。
三十三間堂の岸舜栄執事長は「千体を超える仏像を守っていくため、設備はもとより、防災意識を高めていきたい」と話した。