京都最古の神社とされる上賀茂神社と下鴨神社(いずれも京都市)。両社は「賀茂神社(賀茂社)」と総称され、どちらも世界遺産に登録されている。毎年5月15日に開かれる京都三大祭りの一つ、「葵祭」も両社のお祭りだ。一方で「カモ」の字など異なる点もある。そんな両社の「関係」とは。
平安時代は「上社」「下社」と区別
大阪市内で4月23日にあった春の「京都非公開文化財特別公開」(開催中、朝日新聞社特別協力)の関連イベントに、上賀茂神社権禰宜(ごんねぎ)の晴山昇さん(47)と、下鴨神社祝(はふり)の新木直安(なおおき)さん(49)が登壇した。両社の神職が並んで語り合うことは珍しく、2人によると「今世紀初」という。
両社は京都盆地の東側を流れる鴨川(賀茂川)沿いにあり、上賀茂神社が約3キロ上流に位置する。いずれも平安遷都前に創建された。この地域を支配していた古代豪族・賀茂氏の氏神をまつり、平安遷都後は国家鎮護の神社となった。
平安時代はともに賀茂社と呼…