八坂神社(京都市東山区)と山鉾(やまほこ)連合会(下京区)は19日、7月1日に始まる祇園祭の詳細を発表した。例年は10日から始まる前祭(さきまつり)の「山鉾建て」について、長刀(なぎなた)鉾が1日早めて9日の朝から鉾を組み立てる。熱中症対策や技術継承などが目的という。
山鉾建ては、山や鉾を路上で組み立てることで、これまで長刀鉾や函谷(かんこ)鉾、月鉾、鶏鉾などが10日から始めていた。縄だけで木材を固定する「縄がらみ」という伝統技法で、職人が組み立てる。
連合会によると、経験の浅い職人への技術継承も課題で、昨年は夜中まで作業が続いたこともあったという。長刀鉾は作業日を1日増やし、余裕を持って作業にあたることで、技術継承につなげたい考え。猛暑の中、1日の作業時間を短くする狙いもあるという。ほかの山鉾は例年通り。
連合会の木村幾次郎理事長は、昨年の巡行で鉾の車輪が壊れるトラブルがあったことに触れ、「いろんな対策を通じて安心安全の山鉾行事、喜んでいただけるお祭りになるようにと願っています」と話した。
八坂神社の野村明義宮司は「千年以上続く、日本を代表する、世界に誇る祇園祭です」と多くの参加を呼びかけた。