春季京都府高校野球大会(京都府高校野球連盟主催)の決勝が19日、京都市右京区のわかさスタジアム京都であった。延長10回タイブレークの末、京都共栄が11―7で東山を破り、初優勝を決めた。3位決定戦は龍谷大平安が城南菱創を8―0で下した。京都共栄は府代表として、奈良県橿原市で24日に始まる近畿大会に出場する。
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「あと一人」からの暗転だった。
東山1点リードで迎えた九回表。東山のエース矢根圭悟さん(3年)は2死走者なしから3連打を浴びる。満塁となり、続く打者にフルカウントで投じた6球目。直球がわずかに外れ、押し出し四球で同点に追いつかれた。「力んでしまった。自分が決めてやるという気持ちが強すぎました」
昨年秋は京都府大会3回戦敗退。「この冬しかない」とコントロールの改善に取り組んできた。
今大会は、最速143キロの直球とスライダーを武器に、準決勝まで好投を続けた。しかし、決勝では緊張から制球が乱れた。「ストレートもスライダーも自信があった。だけど、勝負どころで腕が振れませんでした」と悔しさをにじませた。
「メンタルも技術も全部磨き直して、夏こそは勝ち切りたい」。悔しさを胸に、エースは前を向いた。