京大生協本部が入る建物=京都市左京区、北村有樹子撮影

 京都大学生活協同組合(京都市左京区)がアパートなどの賃貸借契約を学生らと結ぶ際の重要事項説明書に不備があったとして、京都府が、行政指導していた。生協は「関係者に多大な迷惑および心配おかけしたことをおわび申し上げる」としている。

 京大生協によると、2020年8月以降に締結した1635件の賃貸借契約で作成した重要事項説明書に水害ハザードマップについて記載していなかった。さらに、 共同で利用できる無料洗濯機なのに募集広告には「コインランドリー」と記載していたという。

 国土交通省は18年の西日本豪雨などを踏まえ、契約者に水害リスクを説明することを不動産業者に義務づけ、水害ハザードマップを重要事項説明の対象項目に追加するよう、20年夏に省令改正していた。

 府建築指導課によると、コインランドリー付きの住居だと思って契約した学生から、広告と異なるとの相談があった。府が重要事項説明書を確認したところ、水害ハザードマップの不記載も判明。今年3月に府が宅地建物取引業法に基づいて適正な業務をするよう勧告した。

 大学生協は「重要事項説明の対象項目として追加された時期と、担当者の異動が重なり、制度の理解が不十分だった」と説明。重要事項説明書には記載していなかったものの、学生らにハザードマップを印刷し、リスクの説明はしていたという。

 京大生協は京大の学生や教職員らが運営に参加し、組合員数は3万3311人(22年2月末)。(北村有樹子)

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