京都新聞ホールディングス(HD、京都市中京区)の大西祐資社長は26日、記者会見し、同社の最大株主だった元相談役側との資本関係を解消したと発表した。同日開かれた臨時株主総会で、元相談役側が保有していた全株式をファンド関連会社を通じて買い戻す議案が承認された。
最大株主は相談役だった女性(83)で、女性が経営する株式会社と本人がHD株式の28・45%を保有していた。会社法に基づく売主追加請求のあった株式を合わせた計約357万株を近く約21億円で取得する。自己資金ですべてまかなうという。
大西社長は「過去の経営陣が元相談役への違法な利益供与を長年にわたり行うなど、経営をゆがめてきた。今回の自己株式の取得により、報道機関の独立性を維持できたと考える。引き続き社会的使命を果たしていく」と述べた。
同社は現在、元相談役を相手取り、不当に得た約5億円の報酬の返還を求める訴訟を京都地裁に起こしており、来年1月に判決が言い渡される予定。