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2010年に創刊した犬のファッション専門月刊誌「Cuun」。読者の8割以上を女性が占めるという=Cuun編集部提供
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 サザエさんのオリジナル漫画をもとに、掲載当時の世相を振り返る朝日新聞土曜版beの連載「サザエさんをさがして」。今回は1962(昭和37)年9月掲載の漫画を題材に、犬に服を着せる風習について調べてみました。

昭和30年代に犬服を手作り

 サザエがミシンで服を縫っている。「ふできですけど」と、できあがったものを近所の親子に手渡す。さっそく着せてみると、妙なところに穴が。子どもの服かと思いきや、犬の服だった――というオチだ。

 驚くのはこれが1962(昭和37)年9月の漫画だということ。平成、令和の世ならありそうな場面だが、昭和30年代に犬の服を手作りし、贈るとは。以前に猫を「犬猫病院」に連れて行く漫画をとりあげた際にも指摘されたが、サザエはペットに関してかなり先進的な人だった。

 絵画や文献から江戸時代には狆(ちん)にフワフワの首輪をしたり、よだれかけを着けたりしていたことがわかる。だが本格的に服を着せる文化はなかったと見られ、そうした風習は明治以降に欧米からもたらされたようだ。

「この寒さには犬にも衣服」

 1910(明治43)年発行…

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