ヒグマに襲われ、新聞配達員が発見された現場。ハンターや警察官が警戒している=2025年7月12日午前9時45分

 北海道福島町で、新聞配達員がヒグマに襲われてから5日たった。今も捕獲されず、住宅地では複数のクマの出没が続く。住民の生命・身体に危険が迫った場合、住宅地でライフル銃を発砲できるのか――。

 新聞配達員の男性(52)は12日午前2時半すぎ、福島町三岳の民家の玄関先でクマに襲われた。クマは男性を引きずって近くの草やぶに入っていった。

 やぶは長いところで一辺が100メートル弱で、背の高い草が生い茂っていた。

 通報を受け、警察官やハンターらが駆けつけた。クマが潜んでいる可能性があるため、日の出を待つ。ハンターが先にやぶに入り、中で倒れている男性を発見した。

 警察官など9人がやぶに入ったとたん、目の前を体長1~1・5メートルのクマが横切った。捜査関係者は「跳びはねるように飛び出してきた」と話す。

 いったん退避し、約30分後に男性を救出。その間に、クマはやぶを抜け出したとみられる。高所作業車の上からやドローンで捜したが、見つからなかった。

 「ハンターが高い位置から撃ち下ろす形であれば、撃てた可能性はあった」。松前署の権藤要署長は12日の会見でそう明かした。

 ライフル銃を水平に撃った場…

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