ネットやSNSで「猫の島」と呼ばれる島が瀬戸内海にはいくつかある。
香川県の佐柳(さなぎ)島(多度津町)もその一つだ。
県中部にある多度津港からフェリーで50分。船を下りると、乗客を出迎えるかのように桟橋まで猫たちがやってきた。「ミャーオ」と鳴いてエサを要求する猫もいる。
港の待合所の日陰にも、空き家の物陰にも、堤防近くの側溝にも、猫はいる。その数、100匹以上。この猫たちに、飼い主はいない。
7月上旬の週末、午前の船で10人ほどの観光客が島を訪れていた。
台湾からやってきた4人家族はインスタグラムで佐柳島のことを知り、「娘たちが猫を大好きだから来られて良かった」と撮影を楽しんだ。
鳥取県から来た40代の女性は、SNSでつながった仲間と猫を撮影するイベントで初来島。持参した猫じゃらしで子猫と戯れ、「写真も猫も好きなんで、めちゃ楽しいです」と話した。
島民は30人ほど、観光客増で猫も増え
島の人口はこの10年で半減し、現在は50人ほどだ。ただ、住民票を動かさないまま島外の子どもの家や高齢者施設に移った人もおり、島民によれば、実際に生活しているのは30人余りだという。
一方、猫の数はここ20年ほどで100匹を超えるまでに膨らんだ。
島民によると、昔から野良猫…